ポーランド人移民がカナダ警察に撃たれ死亡
一瞬のすれ違いで生じた悲劇
カナダの空港で、警官が用いたテーザー銃と呼ばれるスタンガン
で撃たれたポーランド人男性が死亡するという事件がおきた。
その様子を映したビデオをめ
ぐり、スタンガン使用の是非を問う論議が高まっている。
ポーランド政府は15日、カナダ政府に正式に抗議し、事態を重くみたカ
ナダ政府は同日、テーザー銃の使用を再検討するよう指示した。
カナダ在住の母親と同居するため、10月14日に同国西部バンク
ーバー(Vancouver)の空港に到着したロバート ジーカンスキー
(Robert Dziekanski)さん(40)
は、待ち合わせ場所の行き違いと言葉の不自由さから空港内で10
時間、1人で母親を待ち続けた後、精神的に錯乱し騒動を起こした。
その後、取り押さえようとした警官が繰り返し放ったテーザー銃
を受けDziekanskiさんは死亡した。
テーザー銃はワイヤーにつながれた電極を発射し、当たった
標的に高圧電流を流すスタンガンの一種。
ポーランド大使も事件を問題視
ピーター オグラジンスキー(Piotr Ogrodzinski)駐カナダ・
ポーランド大使はAFPの取材に対し、
「事件に衝撃を受けた。警官のとった行動は問題の起きた状況で不
適切だった可能性がある」と述べた。同大使は事件の経緯について
調査結果を開示するようカナダ政府に正式に申し入れ、カナダの
警察苦情処理委員会の関係者とも面会したという。
ビデオの内容
問題のビデオは、現場にたまたま居合わせたカナダ人旅行者のポール
プリチャード(Paul Pritchard)さんが撮影したもの。現地警察は当初、
ビデオの返還に
応じなかったが、Pritchardさんが法的手段に訴えたことで、事件
から1か月を経てようやくビデオを返還した。
ビデオの録画内容は以下の通り。
空港内で錯乱したDziekanskiさんが歩き回り、ある場面では机の
上のコンピューターを床に投げつける姿が映っている。空港保安
要員の「ロシア語を話している」との言葉の後、4人の警官が現場
に駆けつけるとDziekanskiさんは警官に背を向け両手を上げたが、
片手にはホチキスのようなものを手にしていた。
警官はDziekanskiさんに近づき、テーザー銃を繰り返し発射。
Dziekanskiさんは床に倒れ苦悶の叫びを上げるが、警官に身体を
抑えつけられ、数分後に動きを止めた。
カナダ警察は国民に理解呼び掛け
カナダ連邦警察(Royal Canadian Mounted Police、RCMP)の
Dale Carr報道官は、殺人捜査課による捜査は今後30日から45日
続くと述べている。同報道官は、事件にかかわった警官が当時の
状況と行動について説明するまでは、ビデオの内容だけから早急
な判断をすべきではないと国民に理解を求めた。
一瞬のすれ違いが生んだ悲劇
ポーランドの小さな町Pieszyceを初めて出たDziekanskiさんは、
外部からは入れない税関で母親を10時間待っていた。母親は壁
1枚を隔てた反対側におり、空港スタッフに息子の所在を尋ねた
が正しい答えが得られず、あきらめて帰っていた。
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母親 ビデオ
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